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動物好きブロガーによる洋楽·映画系レビューブログ。Review about music,movie,degital, and cute animals

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スリルと欲望渦巻くディカプリオのウルフ・オブ・ウォールストリート!(The wolf of wall street)

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見てきました、ディカプリオの新作。

スコセッシ監督ということなので、これは期待できそうかなと思って観ましたが・・・・・

いやはや、予想を上回る面白さでした。

なにがすごいって、もうとにかく描写がストレート! 

映画レビューで前評判は知っていたのですが、ここまで欲望に忠実な映画だとは思いもよりませんでした。

そりゃ〜18禁になるわなと。

といっても、別にそれが作品の質を落としたりたりしないところがスコセッシのすごいところですね。

欲望描写に目をとられて映画の内容自体がうんぬんということは全くなく、むしろ話の流れというか、人間の本質というべきか、社会を構成しているコアなようなものをディカプリオの熱演を通じてきちんと描き切れていると感じました。 

ではそんなコアなマネーゲームのレビューを進めていきたいと思います。

  

世の中カネだ!!


社会を構成しているコアなものと言うと、なんだか聞こえは良いんですが、まあとどのつまりは「金」ということ。

 

 

もちろんこの場合の「社会」というのは、私たちが住む「資本主義社会」ということであります。

小さいころからお金を儲けることに限りないロマンと野望を抱いていた主人のジョーダン・ベルフォート。

お金を儲けるぞ!とのストレートな夢を抱いてウォールストリートに参上します。

 

最初に就職した会社で先輩社員に言われた言葉。

「お前はクソだ!クソの紙の上に浮かぶ〇〇だ!」(内容を忘れてしまいました。多分こんなセリフ)

フルメタルジャケットの新兵訓練所に出てくる鬼教官のようなセリフを吐かれて、ジョーダンの社会人一年生の一日は始まります。 

最初の仕事は一日500人に電話して金を持っている連中を先輩につなぐこと。

先輩社員の叱咤(激励はありません!)に押されて仕事を始めるジョーダンにランチの誘いが。

社長のマイク・ハンナです。

 

 

この社長役の人、マシュー・マコノヒーなんですね。一目見て驚きました。「や、やせてる」と。

今までの作品ではスポーツマン的な役柄が多かったので、こういう非健康的な役柄は意外でした。

でもその描写はこれまた面白くて。

いきなり入社一日目のジョーダンに「これやるか?」とおクスリを進めるハンナ社長。

ついでに昼間っから酒を死ぬほど呑まそうとしますが、さすがにどちらもジョーダンは丁重に断ります。

ここでの社長のセリフがこれまた胸に響きました。

「俺たちがどうやって金を稼ぐか知ってるか?」

「はい。お客さんに株を買ってもらって、その手数料で」

「そのとおり。俺たちが売ってるのは幻だ。客にその幻をつかませて、その上がりで俺たちの商売は成り立っている」

「良い商品と情報を売ることが大事ですよね」

 

「あほか!」

 

 

いきなりハンナのビンタが・・・というのは嘘で、あくまで諭すようにゆっくりとです。

「いいか。俺たちの仕事は客に儲からせることじゃない。客にというクソには、キャッシュなんてつかませずに、儲けを出したそのときに別のクソ株を買わせるんだよ。キャッシュ(現金)は俺たちがもらっていくんだよ!」

ジョーダン青年、半笑いです。

そんな感じで、ジョーダンの新兵訓練な日々はしばらく続き、時は流れるのですが、ある日、いきなり会社が潰れます。

 

新しき日々

 

外務員試験(この資格は日本の先物や証券会社にはあるようです)に合格して、晴れてブローカーとして正式に働き始めたその日のこと。

ブラックマンデーと呼ばれる金融危機のあおりを受けてのことでした。

ジョーダンは晴れて無職になったのでした。

そんなジョーダンが始めたこと。

それはもちろん就職活動です。

株屋としての経験を活かせるところはないかと、新聞の求人広告を見て応募したところで、再び彼の才能がいかんなく発揮されます。

そこは本来上場できないような小さな会社や店の株を扱う投資会社で、顧客も小口が多かったので、営業社員の取り分が以前の大手と比べても格段に高い50%なのでした。(通常のコミッションは1%)

小口メインであるがゆえのコミッション率の高さに驚くジョーダンでしたが、彼はここでも本領を発揮します。

「もし君が5千万ドル以上の仕事をとれるなら、俺は喜んで君の〇〇〇をしゃぶるね。もちろんタダで」

この映画で数限りなく登場する卑猥な表現がついにここで炸裂です!

彼の面接を行った先輩社員が言うセリフですが、結果は・・・・

もちろん大口の客を獲得しましたとも。

ジョーダンの流れるようなセールストークのリズムに乗って。

そしてもちろん〇〇〇をしゃぶる描写は・・・・さすがに出てきませんでしたけどね。(むしろそれ以上の描写が、これからの映画の流れでバンバン出てくるのですが)

これをきっかけにトップセールスマン、そしてリッチマンの道を歩み始めたジョーダン。

そんな彼の前に一人の男が現れます。

 

運命の出会い

 

近所の家具屋で店員(だったか?ちょっと忘れた)として働くトニー・アゾフ。

ある日、ジョーダンが休憩で入ったレストランで話しかけてきたトニー。

 



ジョーダンと同じアパートに住むトニーは、前から同じ庶民的なアパートに住むジョーダンがなぜ、高級車を乗り回しているかが不思議でならなかったのです。

最初はジョーダンの収入を聞き、「えっ?それ年収じゃなくて月収?」と聞き返したあたりで顔色が完全に変わっていき、

「もし君の給与明細を見てその額が本当だったら、おれは今の仕事を辞めて君の下で働くよ」

といいます。 

結果は・・

こんな感じです。

 

 

このトニーこそが、のちにジョーダンが立ち上げることとなるストラットン・オークモント社の副社長となる人物。 

こう書けば、何か偉人の伝記ものに出てきそうな立志伝的なノリなのですが、いやいや、このトニーくんがこれまたジョーダンに輪をかけた俗物でして、女、ドラッグ、マネーゲームの欲望3本柱の海に、これ以上にないくらい見事に溺れてくれる堕落的逸材が彼というわけで・・・(そしてこの男こそが、ジョーダンを没落させる第一歩を作った張本人なのでした!)

こうして新たなビジネスパートナーを得たジョーダンは、自分の会社を設立することになるのです。

 

その目的はもちろん・・・・・

 

よりビッグなマネーを稼ぐこと

そうしてセールスパーソンをスカウトしていく中で、後の幹部となる人材が次々と集います。

これがまた一癖もふた癖もある連中で・・・

 
というか、ほとんどドラッグのディーラーのような連中ばかり。

「こんな屑みたいなやつらでも俺の手で大金持ちにしてやる!」

こうしてジョーダンは仲間たちともに金を稼ぐ日々に没頭することになるのです。

 

 

ジョーダン流錬金術

 

まず最初にしたのが、何も知らない仲間に「金を稼ぐ方法」を仕込むこと。 

意気揚々と彼らに電話セールスのお手本を見せます。

もうそのへんは芸術的なほどにスコセッシのカメラワークとカットが光りことおびただし。 

もちろんディカプリオのリアルすぎる演技も見るものを引き込む引き込む!

こうして会社はデカくなり、ついにウォール街でも有数の投資会社に成長します。

 

「とにかく電話しろ!暇があったら電話しろ!電話して電話して電話しまくれ!」

 

カネが欲しい奴は電話して顧客をつかみとれ!シンプルですが、一番効き目のある営業方法で会社をビッグにしたのでした。

余談ですが、最初にジョーダンが新たな仲間となった連中に、セールスとは何か?を教えるレッスンの描写がなかなか面白かった。

席の端に座るドラッグディーラーの元締めような男(のちに会社の汚れ専門の仕事を引き受けることになる)に、 

「おい?俺にこのボールペンを売ってみせろよ」 

と、ジョーダンは手に持っていたボールペンをポイと投げます。 
すると皆は「どんなセールストークでボールペンを売りこむのだろう?」とその男を見つめていました。 

ボールペンを放り投げられた男は、 

「あぁ?これか?じゃあおめえ、好きな女の名前を、そこのナプキンに書いてみろや」

 と投げやりにジョーダンに言い返すのでした。 

ジョーダンが「書くものがない」と答えると、男は「これを使え」と、そのボールペンを投げて返します。



「これだよ!この需要と供給を作り出すことこそが、ビジネスのすべてなんだよ!」


ジョーダンは投げ渡されたボールペンを握り締めながら目を輝かせて、周りの皆にそう言って聞かせるのでした。 

もちろん男はそんなことを意識せずに言っただけで、ただ切れたケチャップがなかなか来ないことにイラついていただけなのでしたが・・

 



つまり、

 

ボールペンそのものをセールスせずに、ボールペンが必要となる状況を作り出した

 

ということです。

このくだりは映画のラストにも大きく関係してきます。

というか、この場面こそが資本主義のすべてを言い表しているポイントなのだと個人的には感じました。 

映画は異なりますが、数年前のバットマン・ビギンズの冒頭で、故ヒース・レジャー演じるジョーカーが、ギャングの会合に強引に出席して、

 

「今からお前らに魔法を見せてやる。これを見れば、お前らも俺しかバットマンを倒せるやつはいないって信じるだろう」

 

といって、テーブルに置いていた鉛筆を消してみせる、と豪語したのです。

 

 

ギャング連中が興味津々に見ていると、ジョーカーは鉛筆をテーブルの上に突き立てて、近づいてきたギャングの手下の頭を片方の手でつかむと、

 

「ドーン!」

 

と思い切り手下の顔面をテーブル上の鉛筆に突き刺したのでした。

「これで鉛筆は無くなった。すごいだろ?魔法の出来上がりだ」

不気味に微笑むジョーカー・・・・・ 

もちろん周りはドン引きですが。 

ボールペンで見せたスマートな需要と供給の説明、鉛筆で見せた野蛮な魔法。 
この二つは一見なんの関係もなさそうに見えますが、実はアメリカという資本主義の総本山の本質と手口をこれほど見事に表現したものはない、と勝手ながら想像してしまいました。

 

①頭を使って、スマートに合法的に需要と供給を作り上げる 

②力ずくで無理やり需要と供給を作り上げる

 

この二つこそが、アメリカの行動原理の根本そのもの。

これまでのアメリカの外交安全保障政策を見ていれば、なんとなくわかるような気がします。

とにかく「ルール」は俺が作ると。

お前らは俺のやり方に従っとけと。

大人しく従っているうちはご褒美やるけど、逆らったらシバくぞ!と。

こういうアメリカの手法は、超がつくほどのプラグマティックで合理主義的なお国柄が背景になっているので、敵対した国は大変です。

なにしろ「目的が手段を正当化する」ですからね。

戦略目標を設定した後は、それを達成するためならありとあらゆる手段を使ってでも達成する。

たとえおのれのプライドや風評を失ったとしても、そんなものは目的を達成さえすればいくらでも取り戻せると。

 



究極の目的合理主義ですな。

 

ちょっと話が横道にそれまくりましたが、とにかくこの映画にはそういう良くも悪くも「アメリカ文化」の神髄が多分に含まれていると思いました。

 

最後はやっぱりカネで・・・

 

映画はその後、欲望のジェットコースターが果断なくジョーダンをはじめとする登場人物を「マネー」というリッチなレールの上で、上にやったり下にやったりするのですが、最後はまあ因果応報というやつでしょうか。 

結局は・・・・な形で収まります。

 

 


この・・・な部分はまあ映画を見てのお楽しみということで。

ディカプリオ演じるジョーダンの社員の前で行うアジテーションは最高でしたねー。

もしこんな朝礼を毎朝やってるなら、ここの時間帯だけ参加したいと思わせるほどに。

 

「金が欲しけりゃ電話をかけまくれ!それが嫌ならマクドナルドで働いて一生貧乏してろ!」

マクドナルドがエライけなされたことに微笑。

金と女とドラッグが全ての株屋人生。

清々しいほどに欲望に忠実な登場人物のオンパレードに乾杯!です!

 

 


『ウルフ・オブ・ウォールストリート』 予告編  

 

 

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