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動物好きブロガーによる洋楽·映画系レビューブログ。Review about music,movie,degital, and cute animals

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『死霊の盆踊り』は美女がひたすら踊り続けるだけのトンデモ映画です(Orgy of the dead)

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久しぶりのカルト映画レビューである。
それも記念すべき2作目の紹介レビューときた。 

この映画の概要についてだが、およそゾンビ映画やこの手のB級ホラーに興味のある方であれば、ほとんどが知っているとされる名作中の名作である。 

もちろん名作と言っても、世にある数多の名作、たとえばモネの「日傘を差す女」とか、フランシス・フォード・コッポラの「ゴッドファーザー」などのような万人が絶賛する類の名作ではなくて、いわゆるカルトチックな世界での名作の部類に入る。(まあタイトルからしてバカバカしさが分かるというものだが)

  

「死霊の盆踊り」って何だ?

 

1965年に製作された「死霊の盆踊り」は、アメリカのステファン・アポストロフ監督によって世に送り出された。(A.C.スティーブンとも呼ばれる) 
この作品は、後にステファン監督の代名詞となるエロティックかつユーモアを含んだ作風の起点となるもので、のちに多くの作品をステファン監督とタッグ組むことになる、あの奇才エド・ウッドが脚本を担当していたことでも有名だ。

映画のストーリーはどうかというと、これまた邦名の指し示すとおり、全編くまない無意味さに満ちており、まああえていうなら、墓場で美女がひたすら踊り続けるという一言に尽きる。

 

どうですか?

 

興味が湧きましたか?

 

そんな奇特な方のために簡単なあらすじを。

  

ある夜、売れない小説家のボブは、恋人のシャーリーとともに小説のネタ探しをするために墓場に向かっていた。途中でシャーリーが引き返すよう強く迫り、ボブは仕方なくUターンして戻ることにしたが、車の運転に失敗し2人は車ごと崖に転落してしまう。 

その頃、墓場では夜の帝王と闇の女王が宴を開いており、死霊となった女たちが踊っていた。様子を物陰から見ていたボブとシャーリーは途中で見つかってしまい、縛り付けられてしばらく踊りを鑑賞させられる。 

そして2人は闇の女王に襲われそうになるが、その瞬間に朝日が差し込んで死霊たちは骨になり、2人は救急隊によって救出された。

   

夜の帝王というのがいきなり意味不明なのだけれども、このドラキュラ風の衣装に身を包んだ初老の男が闇の女王と繰り広げる冗長な三文芝居のやり取りそのものが、映画全体を覆うダウナームードをいや増しに増させてくれるという意味で、まさにホラームービーなのである。

 

 

この夜の帝王を演じるのは、実際のキャスター。

どうやって知り合ったのかは知らないが、ステファンが声をかけて撮影に臨んだらしい。 

撮影当日に二日酔い丸出しのボサボサの頭でやって来た夜の帝王の勇姿をとがめることもなく、監督はそのままの姿で(寝ぐせ丸出し)撮影を開始したというから、突貫工事もひどすぎる。

 

 

なぜこんなにやる気のない映画になっているかというと、そもそもこの手の映画は、アメリカでドライブイン・シアター向けに上映されていたものであり、それも男連中やおっさんが鼻の下を伸ばしてみる類の映画を中心に流していたことも大いに関係しているだろう。 

なので、この映画でなぜあれだけの露出の高い美女が出続けているかということは、そういう背景があったからだといえる。(つまりはそこを楽しめ!ということだ)

 

ゆえに

 

同じくカルト映画の雄で、前回紹介した「ピンク・フラミンゴ」は、主人公のディバインを中心として、それなりの骨太な(?)ストーリー展開で数々の変態行為にふけりながらも、見る者を不快にさせたり、人間の露悪的な部分をことさらに強調させるという意味で、それなりに芸術性を味わうこともできたが、この「死霊の盆踊り」に関してはそんなものは一切ない

ただひたすら、死霊と称する美女が踊り狂うというだけで、それもひたすら眠たいだけなのである。

 

 

そして美女が踊るだけならまだしも、先ほど挙げたように、そこにニュースキャスター出身の夜の帝王闇の女王セリフ棒読みな芝居で90分近くを過ごした後、ようやく訪れた夜明けのシーンでようやく感動のファイナルシーンを迎えるというから、監督の演出も小憎らしいを通り越して「清々しい」の一言に尽きる。 

捕まえた人間の二人を死霊にする前に、夜明けのスキャットならず、「夜明けの光」で白骨化死体となった帝王と女王、死霊たち・・・・

 

 

とほほな結末に涙、涙でござる。

 

こんな映画を撮った監督は、どこのどいつだ?!

 

監督のステファン・アポストロフ(A.C.スティーブン)は、ブルガリア出身のアメリカ人。苦労の末に映画界入りした後、日の目を見始めていたピンク映画で世に出ようと画策していた。

 

 

そんな野望に満ちたステファンが出会ったのが、当時発表する作品がどれも失敗して、失意のどん底に沈んでいたエド・ウッド。

ちょうど構想を温めていた「死霊の盆踊り」の脚本家をさがしていた時だったので、ウッドにこの映画の脚本を依頼し、世紀の迷作が完成したということだ。 

エド・ウッドの奇才ぶりは、94年に「エド・ウッド」でジョニーデップが演じたことで一般的に有名になったが、それまでは業界の人やカルトファン以外はほとんど知らなかった伝説の人物である。

ウッドはその映画製作にかける異常なくらいの情熱と熱意に反比例するように、監督生涯における興行成績はまったくふるわず、赤貧と失意のうちに亡くなってしまう。

 

 

特にそのもっとも自信作であった「プラン9・フロム・アウタースペース」が、全く評価されずに終わったことが、彼を失意のどん底に貶め、その後、映画を製作をするかたわらで、低予算映画の脚本やピンク映画で生計をたてていたとされる。

 

 

その糊口をしのいでいた時代に出会ったのが、ステファンであり、そのデビュー作である「死霊の盆踊り」の脚本が、失意の海に沈みつつ、生活のために仕方なくウッドが書き上げた作品であることを知って「ああやっぱりな」と納得すると同時に、映画全体に蔓延する「やる気のなさ」が、当時のウッドの極度な失意に陥った精神状態を表したものであることも知って、より一層この映画に対する愛情と憧憬を濃くせざるをえないのである・・・

 

・・・・んなわけないやろ!!

 

ただたんにB級監督がB級脚本家(監督)と出会っただけという話でございます。(でも美女の踊りはよかった)

 

最後にちょっとだけ

 

邦名タイトルの「死霊の盆踊り」は、当時、映画配給会社の配給業務を担当していた江戸木純氏が、アメリカでのこの手の映画(ドライブシアター・ムービー)のマーケティング戦略に魅かれて権利を買い付けし、その際につけたものだという。 

一見、適当なタイトルだが、原題の「Orgy of the dead」から考えれば、それほどかけ離れたタイトルではない。

orgyというのは「パーティー、ばか騒ぎ、乱痴気騒ぎ」という意味であり、the deadは「ゾンビ、死霊」という意味だから、「死霊のばか騒ぎ」の騒ぎの部分を「盆踊り」に変えただけのものだろう。

騒ぎ、パーティーを盆踊りに変換したというところに若き日の江戸木氏の卓越した言語センスを感じるが、氏曰く「てきとうに付けた」ということだから、よく考えてみたところでやはり力の抜ける邦題なのである。 

Ridiculous, meanningless plot and drawing. There is no love and passion. Just dancing with naked. Super funny movie. 

 

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